先日、栃木県へ旅行に行ってきた。
7月に民芸運動で活躍した巨匠の一人、「河井寛次郎」の生家を見に行ったが、
今回はもう一人の巨匠「濱田庄司」の生家がある益子を訪問。
まず、目を奪われたのは大きな茅葺の屋根。
職人さんの手で細やかに手入れされた、重厚感のあるこの屋根は、
山々の緑と澄んだ空を背景に、温かで、力強い雰囲気を魅せてくれた。
中は、「濱田庄司」の面影を残したまま保存された居間が解放されている。
黒く光る無垢の床、大きなはり、繊細に細工された欄間など、
高い技術が注ぎこまれた形跡を、全身で感じることができた。
開放的な空間が居心地良く、
思わず床に寝そべってみると、
小さいころ、田舎のおじいちゃん家に遊びにきたような、懐かしさも感じ、
心をくすぐられたような気もした。
木の息吹を感じる住宅。
人と木が呼吸を合わせて、共に生きて行く幸せを、
濱田庄司の家に学んだ一日だった。